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皮膚科診察について About department of dermatology

 当院は、日本獣医皮膚科学会に所属し、特に皮膚科疾患に力を入れています。
 皮膚は常に外界にさらされ、さまざまな刺激・感染症などからバリアとして常にからだの内部を保護しています。
 また口の粘膜や消化管、内臓と物理的につながっており、構造としては異なりますが、
消化器疾患や内分泌疾患と密接な関係があるといわれています。
 さらにいえば、関節や筋肉のトラブルが原因で、からだの一部分をなめたりかきむしったりしているのかもしれません。
 足の裏が炎症を起こして足をなめているのかもしれないし、
 不安や精神的な問題でそうせざるを得ない(常同障害)ということもあります。

皮膚のトラブルは、もしかしたら皮膚だけの問題ではないかもしれません。
 そのため、皮膚科の診察にはご家族からの詳細なお話が重要になります。
お話する時間が長くなるかもしれません、ご理解ください。

皮膚科診察について

皮膚科の診断

 皮膚科の診断にはまず、「詳細な問診」「視診」「触診」が最も重要です。
特別な検査をしなくても多くの情報を得ることができ、
この段階で治療方針やケアの方法をご説明することが可能な場合が多いです。
 しかしながら症状によっては、追加検査が必要になる場合がございます。
ここではなぜ追加検査が必要になるのかを、具体例をあげてご説明いたします。

① 被毛検査(トリコグラフィ)

病変部の被毛を数本抜いて顕微鏡で観察します。
ニキビダニ(アカラスと同じ)や病原性真菌(カビ)など、毛包内にいる感染症の診断に有用です。
また、毛球を確認することで被毛が成長期にあるのか、成長休止期にあるのかも判断できます。

② セロテープ押捺検査

病変部にセロテープを複数回押し当て、皮膚表面にいる細菌や酵母(マラセチア)、
外部寄生虫の有無を確認します。

セロテープ押捺検査 セロテープ押捺検査

押捺検査で観察されたマラセチア
(ボーリングのピンのような形)

被毛検査により観察されたニキビダニ

③ 皮膚掻把検査

皮膚の表面にある組織をこすりとり、顕微鏡で確認します。
これも外部寄生虫や細菌感染症に有用です。

④ 細胞診

皮膚にしこり、腫瘤が認められる場合や、天疱瘡など一部の免疫介在性疾患が疑われる場合に行います。
細い針(基本的に23ゲージと呼ばれる太さ)を使用し、病変部の細胞を採取したのち、
顕微鏡で確認したします。
皮膚疾患だけでなく腫瘍が疑われる場合にも行います。

⑤ 血液検査

肝臓、腎臓、膵臓、血糖値などの項目を確認します。
内分泌疾患(クッシング症候群や甲状腺機能低下症など)が疑われる場合、
結果が出るまでに3~4日かかることもあります。
甲状腺や副腎皮質などの内分泌疾患による脱毛、腎臓疾患による四肢のかゆみなど
がないかを確認いたします。

⑥ レントゲン検査

脊椎や膝蓋骨(ひざのお皿)の痛み・違和感などでその部分をなめてしまう、
胸部の腫瘍(胸腺腫)による全身性の剥奪性皮膚炎などが考えられる場合に行います。

⑦ 細菌感受性検査

皮膚の病変部の細菌や膿を採取して、原因となる菌を確認し、その菌に対して
どの抗生剤が効果があるのかを確認する検査です。結果がでるまで1週間ほどかかります。
細菌性皮膚疾患の場合、最も適した抗生剤を選択するために行います。

細菌感受性検査 細菌感受性検査 細菌感受性検査

感受性検査が必要な皮膚症状
(細菌性膿皮症)

 

感受性検査の結果

⑧ 皮膚病理検査

直径約6mmの円形の刃のついた器具で皮膚を切り取り、病理学的に確認します。
局所麻酔でおこない、2~3糸の縫合をいたします。結果がわかるまで1週間ほどかかります。
原因不明の脱毛の場合、角質や表皮などの皮膚自体にトラブルがあると疑われる場合、
少しでも皮膚に関する多くの情報を得たい場合に行います。

皮膚科領域では皮膚は、内臓・免疫・筋肉や骨と密接な関係があると考えられています。
皮膚科の検査であっても、検査するのは皮膚だけではありません。
症状に応じて適切な検査内容をご提案することがあります。ご了承ください。

皮膚科の治療

皮膚科の治療において重要なことは「ご家族のご協力とご理解です。
皮膚科疾患の多くは、ご自宅での治療や通院での治療が必要になります。
もちろん当院でもできる限りサポートいたしますが、最後はご家族のご協力が最も重要になります。
治療方法は以下のようなものがあります。

① 外用療法

「シャンプー」や「点耳薬」などを使用し、体の外側から皮膚を治療します。
特にシャンプー療法は多くの皮膚疾患において重要な役割を示します。
使用するシャンプーは症状によって大きく異なりますので、その都度適切なものを選択していきます。
また、2種類のシャンプーを同時に使用することもあります。
シャンプーの頻度は皮膚のトラブルがなければ2~4週に1回程度で良いのですが、
細菌性膿皮症、重度の脂漏症などの場合は2~3日に1回のシャンプーが必要になることもあります。
ご自宅でのシャンプーが難しい場合は、当院での薬浴も受け付けております。

 

薬浴を行うトリミングルーム

薬浴を行うトリミングルーム

② 内科治療

抗生剤や抗ヒスタミン剤を使用して感染症や炎症、かゆみを鎮静化させていきます。
循環を良化させるビタミン剤や脂肪酸を含んだサプリメントを使用することもあります。
またアトピーや免疫介在性の病気の場合は、ステロイドや免疫抑制剤を使用することもあります。
免疫抑制剤と言っても、外界からの細菌や感染症に対して弱くなることはありません。
ステロイドや免疫抑制剤の使用の際は特に、ご家族にご理解いただいてから使用するようにしております。
ご不安な点があればご納得いただけるまでご説明いたしますし、
どうしても不安であるならば薬剤を使用しない方法もご提案しておりますので、安心してご相談ください。

※ステロイドについて

ステロイドは一般的に「とても怖い薬」というイメージがついてしまっています。
それは「ステロイドには強い副作用がある」と認識されているからです。
確かにステロイドを使用した後に副作用がでることがありますが、
それは「長期使用した場合」「急に内服するのをやめてしまった場合」がほとんどなのです。
ステロイドによる治療は開始後、徐々に一回の量や内服の回数を漸減(少しづつ減らすこと)し、
症状を抑えることのできる必要最小量をみつけます。

その後、内服を急に中止することなく継続できれば副作用が出る可能性は非常に低くなります。
使用方法を守れば、ステロイドは非常に有効な治療法として使用できます。

③ 経過観察

皮膚病の治療をするとき、経過観察をすることがあります。
それは、換毛異常や側腹部脱毛症など、季節や日照時間に関係した脱毛症などの
一時的な病気があるからです。
皮膚症状が強くなく、感染症や皮膚炎、つよいかゆみなどが認められない場合、
または上記のような病気の場合は、「1~2か月ほど、様子を見る」という治療を行うこともあります。
それにはご家族の忍耐とご協力が必要になります。よろしくお願いいたします。

皮膚についての相談

皮膚はご家族から見ても変化がわかりやすい領域です。
ご家庭でお気づきになったことがあれば、まずはご相談ください。
無症状であっても予防医学的観点から、日々のシャンプーについて、スキンケアの方法、
皮膚と内臓の関係、食事の選択方法など日常生活に寄り添ったご提案ができると思います。

皮膚にお悩みの方もそうでない方も、一度当院の皮膚科診察を受診してみてください。
また、皮膚科のお話は時間がかかることがございます。
予約は必須ではありませんが、お時間をいただくためにも、受診される際はご予約いただければ幸いです。

松戸うがた動物病院
院長 宇賀田雅人

アニコム損害保険株式会社
ひがし東京夜間救急動物医療センター
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